医療法人博侑会 吉岡医院

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HbA1cの国際標準化について

2012年3月10日

東日本大震災から1年経ちました。
あっという間の1年でしたね。

震災後は、1年というと、もっと多くのことができて、
被災地の復興も進んでいるかと思っていましたが、
遅々として進んでいないようですね。

日本は不景気で、円高で、電気不足で、
政府がもっとしっかり取り組まないと、復興もなかなかですね。

ということでもうすぐ4月、新年度が始まります。
季節の変わり目、天気もすっきりしませんが、
少しずつ暖かくなってきました。

この4月より、HbA1cの数値が変わります。
「ヘモグロビン・エーワンシー」と読みますが、
聞きなれない方も多いと思います。
これは糖尿病でよくつかわれる血液検査のことです。

糖尿病でよく測定するのは空腹時血糖値ですが、
これは一番低い瞬間の血糖値を見ているだけなので、
食後や日中どの程度血糖値が上昇しているかは分かりません。

そこでこのHbA1cを測定します。
この数値は測定前の1-2か月の平均血糖値を反映しています。
つまり、空腹時血糖値が低くても、食後などに高血糖になる方は、
このHbA1cが上昇し、糖尿病と診断されます。

現在の糖尿病の診断基準では、
空腹時血糖値 126mg/dl以上、
随時血糖(絶食なしで採血した時) 200mg/dl以上、
HbA1c 6.1%以上が目安となっています。

ところが同じHbA1cですが、日本で使用している検査方法と、
世界で使われている検査方法が微妙に異なっていて、
数値に乖離があることが分かりました。

これは大変困ったことです。
国際社会で議論する際、日本人がいう数値と
世界が使っている数値が異なるわけですから。

日本で使われているHbA1c(JDS値)と、
日本を除く多くの世界で使われているHbA1c(NGSP値)は
以下の式が成り立つことが分かっています。

HbA1c(国際標準値:NGSP値)=HbA1c(JDS値)+0.4%

そして日本糖尿病学会は世界と足並みをそろえるため、
2007年ごろより協議を重ね、国際標準値を用いることとしました。
そしてこの4月より、切り替えることになったのです。

それにより患者さまのHbA1cは、自動的に0.4上昇します。
つまり、あたかも糖尿病が悪化したかのような錯覚に陥ります。
診断基準もすべて国際標準値になり0.4ずつ上がるので、
今までと一緒なのですが、どこか気持ち悪いですね。

たぶん糖尿病の方はご存じでしょうが、
一般の方はあまり周知されていないかもしれません。
現場は混乱することも予想されますので、
しばらくはJDS値、国際標準値両方が併記されるそうです。

また検診の場合は混乱を避けるため、
しばらくJDSで表記するとのことです。
一時的にダブルスタンダードとなりますので、
皆さんも混乱しないように、よく確認して下さい。

国際標準値に変わることで、糖尿病が悪化したと勘違いして、
治療への意欲が低下する患者さまが出てくれば問題です。
私も診察の時に忘れずにご説明するようにします。

院内にも掲示しておきますので、
また待ち時間にでも眺めてください。


前回のブログで触れた、当院の大腸カメラのポリープ発見率は、
次回のブログで報告させていただきます。
(ちょっと作業が遅れてしまいました)

京都市 吉岡医院 吉岡幹博