医療法人博侑会 吉岡医院

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食道胃接合部が語るもの  その② ~バレット食道~

2013年3月26日

今週の日曜日、
妻と子供をつれて嵐山に出かけました。
早咲きのさくらが1本、満開でした。

気がつけば3月も今週で終わり、
新しい年度がやってくるんですね。
さくらの季節は何か、わくわくします。

来週には嵐山には近寄れなくなりそうです。

今回は『食道胃接合部が語るもの』の2回目、
『バレット食道』についてです。

バレット食道とは聞きなれない言葉だと思います。
1回目逆流性食道炎と関係しており、
今後増えてくる病態と考えられています。

食道胃接合部で胃酸の逆流が起こること、
それが逆流性食道炎ですが、
炎症がずっと持続すると、食道の粘膜は、
やがて胃粘膜に近い粘膜に置換されます。

これをバレット粘膜といいます。
この粘膜のある食道をバレット食道といいます。

このバレット食道からは、
がんが発生することがあります。
欧米ではこのタイプの食道がんが増えています。

わが国でも最近は増加傾向です。
その理由にピロリ菌との関係が挙げられます。

逆流性食道炎の発生原因のひとつに、
ピロリ菌除菌が挙げられます。
ピロリ菌を除菌すると、慢性胃炎が改善し、
胃酸の分泌が多くなるといわれています。

胃酸が多くなること、
胃の調子が改善し食欲が上がると肥満となり、
結果的に逆流性食道炎を発症させるようです。

今のところ、ピロリ除菌後の逆流性食道炎から、
バレット食道、バレット腺がんを
発症したという報告はありませんが、
全く無関係ともいえず、今後の研究が待たれます。

胃がんを抑えるために行なったピロリ菌除菌で、
食道がんのリスクが増えるとしたら、
除菌する意味が無いですね。

しかし、ご安心下さい。
胃がんと食道がん、さらにはバレット腺がんでは、
発生頻度が全く異なります。

食道がんの発生率は胃がんの約10分の1です。
そのうち食道がんは90%以上は扁平上皮がんで、
バレット腺がんは食道がんの約3%程です。

これほど違えば、やはり胃がんの予防のために、
ピロリ菌除菌は意義があることだと分かります。

このようにバレット食道がんは、
頻度は少ないものの、注意すべき疾患です。
バレット食道のある患者さんは、
必ず定期的に内視鏡で確認しておきましょう。

ちなみに逆流性食道炎の治療薬である、
タケプロンやパリエットなどの酸分泌抑制剤が、
バレット食道がんを予防するという報告はありません。

しかし、高度の逆流性食道炎がある方は、
バレット食道を合併していることも多く、
内服する意味があると思います。

ただし、結局は内視鏡で調べるしかありませんので、
逆流性食道炎のある方は、
定期的な内視鏡検査を是非お願いいたします。

以上で、その② ~バレット食道~を終わります。
次回その③は、~食道裂孔ヘルニア~をお送りする予定です。
マイナーネタなので、当分先になると思いますが。

京都市上京区 消化器内科
吉岡医院 吉岡幹博