京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
診療時間 午前9時~/夜診17時~
婦人科は夜診なし
休診日 木・日・祝/土(午後)
※令和5年7月より木曜日は
 休診日となりました
  • お問い合わせ

    075-451-0164

便潜血陽性の方は必ず大腸カメラを受けてください

2016年1月27日

寒い日が続いております。
先週、今週と2度も雪が積もりました。
皆さんも通勤等大変ではなかったですか?

 

私は毎日6時半ごろに医院にやってきます。
医院までは4㎞ぐらい離れていますので、
いつもは自転車、天気の悪い日は車で来ています。

 

雪の降った2日は自転車も車もあきらめ、
安全のためにタクシーできました。
京都は大通り1本北に上がると様子が変わりますね。

 

鷹峯から来ている職員は、
雪が深いうえに坂が多いので、
途中で何台か立ち往生していたと言っていました。

 

最も危険なのは原付だと思います。
両足を地面に伸ばしながらふらふら運転されると、
周りの車までも迷惑しますね。

 

 

京都では年に数回の雪が積もりますが、
やはり慣れていない土地柄ですので、
私もあまり無理をしないようには心がけています。

 

 

さて、
検診で行われることが多い便潜血検査について、
少しお話いたします。

 

当院では毎日午後から、
大腸カメラを行っておりますので、
検診の便潜血陽性の方がよく来られます。

 

便潜血検査は、
便に含まれる微量な血液を検査で調べています。
もちろん肉眼で見えないものも含まれます。

 

よく『私痔がありますので』と言われます。
確かに痔で出血などを経験する方は大変多く、
便潜血が痔から来ている可能性も十分あります。

 

しかし、
痔があるから大腸のポリープやがんが、
無いと言い切れるわけではありません。

 

便潜血検査は大雑把な検査です。
大腸カメラをしても出血の原因がわからない方も、
とても多くいらっしゃいます。

 

また小さなポリープが見つかっても、
それはたまたまできていただけで、
これが出血源ではないだろうということもあります。

 

 

逆に2回中1回が便潜血陽性でカメラをして、
大腸がんが見つかることだってあります。
この場合1回は便潜血陰性だったわけです。

 

何度も言いますが、便潜血検査は大雑把な検査です。
もし2回とも陰性に出れば、
この方の場合は大腸がんを見落とすことになります。

 

つまり大腸カメラをやってみないと何もわかりません。
便潜血検査は日ごろ受けない大腸カメラをうけるという、
きっかけを与えている意味もあると思います。

 

しかしながら私も含め、
消化器内科の専門医は、
あまり便潜血検査を勧めていないかもしれません。

 

便潜血検査は症状のない方が受けるものであり、
腹痛などで消化器内科受診された場合、
便潜血検査で評価することはあまりありません。

 

先ほど申し上げたように、
大腸がんがあっても、
陽性にならない可能性は十分あります。

 

この場合症状が優先されます。
もし便潜血を行って陰性になれば、
検査をするタイミングを逃すかもしれません。

 

そのため少しでも大腸がんを疑った場合は、
便潜血検査は省略し、
直接大腸カメラをお勧めすることが多いです。

 

 

ということで当院では(どこでもそうだと思いますが)、
『便潜血陽性』 → 『痔』は関係なし → 『大腸カメラ』
『症状有り』 → 『便潜血検査』省略 → 『大腸カメラ』 です。

 

毎年ひっかかり大腸カメラで検査されている方は、
前回の所見を参考にしますが、
ポリープなどがある場合は受けていただきます。

 

前回何もない場合には、
過去一度だけしか受けていない場合は、
念のためもう一度うけていただくことが多いです。

 

何度か受けていて今まで何もない方は、
前回の大腸カメラから1~2年ぐらいでしたら、
省略することもあります。

 

このあたりは担当する医師により、
多少違いがあるかもしれませんが、
あくまでも私の個人的な見解です。

 

ご参考になりましたでしょうか?

 

一番よくないのは便潜血陽性を、
検査をせずに放置することです。

 

大腸がんはかなり進行していない限り、
比較的治療しやすい癌のうちの一つです。
怖がらすに受けてくださいね。