医療法人博侑会 吉岡医院

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逆流性食道炎の病態と治療について

2016年11月27日

数日前より急に寒くなりましたね。
関東では11月というのに積雪もあったとのことで、
交通機関にも影響が出たようです。

空気も乾燥しているのでしょう。
私も朝起きると何となく喉の調子が悪く、
ひょっとして風邪ではないかと不安になります。

インフルエンザがいよいよ流行の兆しです。
当院での感染者はまだお一人だけですが、
皆さんも十分お気を付け下さい。

今回は逆流性食道炎について、
原因や治療についてお話しいたします。

皆さんは逆流性食道炎という言葉を
聞いたことはありますか?
CMでも最近聞く言葉になってきました。

逆流性食道炎では、
何が食道に逆流し炎症を起こすかというと、
ご存知の通り胃酸です。

胃酸が含まれている胃液が、
食道に上がることにより、
酸に弱い食道に炎症が起きるのです。

症状は胸やけ、みぞおちの痛み、
すっぱいものがこみ上げてくる、
食べたものが胸でつかえるなどです。

本来食道には、
胃酸が逆流しない
メカニズムが存在します。

GERD1
※(株)エーザイ逆流性食道炎冊子より引用

食道と胃のつなぎ目には、
「下部食道括約筋」という筋肉が存在し、
胃の内容物の食道への逆流を防いでいます。

食後に逆立ちをしても、
食べたものが戻ってこないのは、
この筋肉が閉まっているからです。

GERD2

この筋肉が何らかの事情により緩んでいると、
胃酸が食道に逆流します。
食道は胃酸に弱く炎症が起きるのです。

これが逆流性食道炎の発生機序です。

胃カメラをしていると、
この下部食道括約筋が緩んでいる方が、
時々おられます。

若くて肥満の方、
高齢で背骨が曲がっている方などは、
高率で認めます。

確かにこのような方は、
逆流生食道炎が多い傾向にありますが、
下部食道括約筋が緩んでいる方すべてに、
逆流生食道炎を認めるわけではありません。

この下部食道括約筋のゆるみがあっても、
胃酸の逆流は思ったほど起きていないことが、
最近の研究でわかってきました。

つまり括約筋の弛緩そのものは、
逆流生食道炎の原因ではないということです。

ではどのような場合に、
胃酸の逆流が起こるのでしょうか?

答えは「げっぷ」です。

げっぷは医学用語では、
「曖気(あいき)」といいます。

胃に溜まったガスが、
音を伴って食道・口腔を 経て
体外に排出される現象とされています。

げっぷが発生すると、
「一過性下部食道括約筋弛緩」
という現象が起きます。

この現象が起きると一時的に、
約10秒以上(平均で20秒)の時間、
括約筋が緩んでいるそうです。

その際、空気とともに胃酸も
食道への逆流が起きていて、その証拠に、
食道内のpH低下が認められます。

つまりげっぷが起きることで、
逆流性食道炎が起こるのではないかと、
最近では考えれているのです。

では、
げっぷが出るのは、
どのような場合でしょうか?

もちろん食後に起こるのですが、
食べ過ぎ、早食い、脂肪の多い食事が、
げっぷを誘発させる要因だそうです。

食べ過ぎ、早食いが良くないのは、
なんとなく感覚的にわかると思います。

では脂肪食がダメな理由は何でしょうか?

脂肪の多い食事では、
胃の中の食べ物が腸に流れにくくなる、
「胃内容物排出遅延」という現象が起きます。

食べたものが、
胃の中に長く留まって、
げっぷが出やすくなります。

ゆえに高脂肪食はげっぷを誘発し、
逆流性食道炎の方には
良くない食事ということが言えます。

 

以上のようなことをもとに、
逆流性食道炎の治療について、
原因別に考えてみます。

以下に挙げたことを行えば、
改善するはずです。

①げっぷを起こらないようにする。

②胃内容物を早く腸に排出する。

③胃酸の分泌を抑制する。

①についてですが今のところ、
一過性下部食道括約筋弛緩を
改善するお薬はありません。

過食、早食い、高脂肪食を避ける、
そして肥満にも気を付けましょう。

②に対しては一応お薬があります。
しかし、それほど効果的なものは少なく、
これだけでは効果不十分です。

③に対しては有効なお薬があります。
昔はガスターなどが胃酸を抑えましたが、
今ではPPIと呼ばれるお薬が主流です。

つい2年ほど前ですが武田製薬から、
「タケキャブ」というお薬が発売されました。

PPIの仲間ではありますが、
胃酸分泌の抑制効果が飛躍的に向上し、
逆流性食道炎に対する有効性が高くなりました。

従っていろいろ病態は解明されていますが、
現時点ではタケキャブも含めたPPIと、
胃運動促進剤を投与するのが主流です。

皆さんも逆流性食道炎かなと思われたら、
先ずは食事や生活習慣の見直しと、
病院で胃酸抑制のお薬をもらってください。

そして胃の検査をしばらく受けてない方は、
他の病気が隠れていないか、
念のために調べてもらってください。

ちょっと分かりにくかったかもしれませんが、、
皆様のご参考になれば幸いです。

 

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