医療法人博侑会 吉岡医院

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在宅医療に必要なもの

2017年1月17日

先週末より猛烈な寒気に覆われ、
久しぶりの大雪に見舞われました。
皆さんご無事だったでしょうか?

1月15日日曜日には、
「第35回全国都道府県対抗女子駅伝」が、
大雪(吹雪)の中開催されていました。

よく開催されたと思います。
京都の人はこの駅伝を、
楽しみにしているんです。

途中吹雪に見舞われたこともあり、
大会を開催すべきではなかったとの
意見もあるようです。

ただ選手たちは中高生、学生、社会人と、
それぞれが違うフィールドなので、
延期するのも簡単ではないと思います。

大会関係者も迷われたと思います。
でも早朝からの除雪作業と融雪剤で、
行けると判断されたのでしょう。

スタート後天候は徐々に荒れ模様となり、
見たこともない猛吹雪のレースとなりました。
寒い京都でもここまではあまりありません。

かといって途中で、
レースを止めるわけにも
いかないと思います。

私も雪の中子供を連れて、
沿道で応援しました。

吹雪の中でも沿道の応援は、
途切れることはありませんでした。

最終的にはすべてのチームが、
大きなトラブルなくゴールしたことで、
大会は無事終了しました。

今大会は、
強行開催してもあっさり中止しても、
賛否両論あったと思います。

でも開催すると決めてからは、
皆さんの懸命の努力があったと思います。
途中かなり心配されたとは思いますが。

幸いレースも白熱しましたし、
記憶に残る大会だったと思います。

この悪天候に負けなかったものは、
関係者、選手の方々、そして京都の方々の
気合だったのではないでしょうか。

 

さて話は変わりますが、
当院は在宅医療を行っております。
あまりイメージがないかもしれません。

患者様も数名のみで多くはありません。
当院で通院出来なくなった方が中心で、
時々病院から依頼されることもあります。

12月31日大晦日にも、病院から紹介の、
在宅診療中の胃癌末期の方が亡くなり、
患者様宅でお看取りを行いました。

当院では癌末期の方は多くありませんが、
やはりそのような患者様がおられると、
いつ呼び出しがあってもおかしくありません。

開業医にとっては、病院勤務と違い、
自分の代わりの医師がおりませんので、
常に待機していなければなりません。

そういう意味では、
在宅医療、特に終末期を看取るというのは、
やや負担のかかる医療と言えます。

 

私は京都府医師会の
『若手医療ビジョン委員会』という会に、
地区医師会から拝命し参加しております。

月に1回、30代から40代の医師が
京都府下から集まり(20名ほど)、
さまざまな問題に対し話し合っています。

その中で先日、在宅医療、
特に高齢者を中心とした看取りまでの医療は、
医師の負担が大きいという話が出ていました。

在宅医療を成立させるには、
家族の協力、訪問看護ステーションや、
地域の病院との連携が不可欠です。

とりわけ家族の介護体制が重要なのですが、
やはり病気に対する理解は当然ですが、
看取りに対する知識があまりないのが現状です。

 

『リビングウィル』とい言葉があります。

この言葉の意味は、
本人がどのような最後を遂げたいかを、
生前に示しておくことです。

例えば認知症になる前に、
あるいは病気の進行で意識がなくなる前に、
延命治療も含め意思表示をしておくことです。

『リビングウィル』があり、
家族の共通の理解があれば、
在宅医療はスムーズに行きます。

しかし定まっていなかったり、
家族の中に疑問を持つ方がおられると、
医療は違う方向に行きかねません。

自宅で静かに看取られるはずだったのが、
遠くの親戚の意見で、望んでいなかった、
病院への救急搬送ということも起こりえます。

このような医療は、患者様個人、
あるいは家族の方それぞれに合わせて、
信頼関係とともに構築されなければなりません。

そこが難しいところなのです。

限られた時間と医療資源を活用し、
医師や看護師やケアマネージャーは、
全てに対応しなくてはなりません。

患者様の治療だけでなく、
大切なのは付き添っている家族など、
介護者のケアです。

介護者は医療従事者ではないため、
体力的、精神的な負担が大きくかかります。
強力なサポートなしでは続けられません。

医療チームはそこも含めて、
日ごろの介護体制を構築し家族もケアし、
急変にも対応しなければなりません。

これが病院に入院しているのとは、
大きく異なるところです。

 

ある先生がこう発言されました。

「在宅医療には『気合』が必要です」

 

私もそう思います。
多少困難が伴うことをやり抜くには、
相応の覚悟、気合が必要だと思います。

ただ、気合で乗り切っているのであれば、
それは個々の頑張りに支えられているのみで、
システムとして機能しているとは言えません。

これからの超高齢化社会、
在宅医療に対するシステムの再構築が、
求められていると思います。

 

終末期医療、
人生最期の過ごし方については、
答えのない大変奥が深い問題です。

『リビングウィル』に関しては、
また機会があれば、
この場で考えてみたいと思います。

 

 

吉岡医院  吉岡幹博