医療法人博侑会 吉岡医院

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オリンパスに追いつけるか

2017年2月27日

2月も終わりに差し掛かり、
日中は少し寒さも和らいできて、
春が近づいてきたように思います。

朝晩と日中の気温の寒暖差が大きくなり、
この時期も体調管理が難しいと思われます。
皆様もお気を付け下さい。

 

さて今回は、
当院でも行っている
内視鏡についてのお話です。

皆さんは胃カメラや大腸カメラといった
消化器内視鏡を作っているメーカーを、
ご存知でしょうか?

オリンパスが有名かもしれません。
あとは富士フイルム、ペンタックスという会社でも
作っています。

この3社でほとんどのシェアを占めています。
すべて日本の会社です。

そのうち70%がオリンパス製です。
その次に富士フイルム、ペンタックスと続きます。

実はこのシェアは日本国内だけでなく、
全世界的にも似たような状況だそうです。
日本の3メーカーが市場を独占しているそうです。

消化器内視鏡は光学系最先端のテクノロジーと、
体内で使用する際に必要な繊細な操作性を兼ね備えた、
高度な技術が凝縮した医療機器です。

細さ5㎜~10㎜の管の中に、
複数の光源、高画質CCD、鉗子孔、送水口などを束ね、
手元のダイヤルでワイヤーを介し先端が複雑に曲がり、
時に顕微鏡の様な拡大機能を備えています。

また体内で使用する際には強い力がかかることもあり、
繊細な道具ながら耐久性も要求されます。
ほとんど化け物の様な装置だと思っています。

オリンパスは1950年頃に、
世界に先駆けて胃カメラを開発した、
老舗の内視鏡メーカーです。

私も研修医の頃から、
内視鏡と言えばオリンパスと思って、
慣れ親しんできたものです。

そのオリンパスは約10年前に、
NBIいう癌を早期に発見する画像技術を開発し、
内視鏡の世界に大きな革新をもたらしました。

当時オリンパスは、
内視鏡の操作性も画像技術も、
他を寄せ付けないものがありました。

そして使う側の医師も、
以前から使用しているオリンパスを
圧倒的に支持してきました。

約6年前でしょうか、
オリンパスに粉飾決算(オリンパス事件)の際も、
医師らは、

「会社のごたごたとオリンパスの高度な技術力とは、
全く別物である」として、
オリンパス製品を使用し続けました。

ライブドア、東芝などの例もあるように、
普通では会社が潰れてしまうような事態だったのですが、
影響は限定的でした。

それ位高い信頼性を得ていたのです。
そしてそのブランドイメージは、
今でも医師の間では強固なものがあります。

当院でもオリンパスを使用しております。
製品としてももちろんいいのですが、
一番の理由は今までずっと使ってきたからです。

医師にとっては内視鏡は体の一部です。
ほんの少しの操作性が変わることも、
画質が落ちることも妥協できないのです。

ということでこの10年間、
消化器内視鏡の世界ではオリンパスの
一人勝ちのような状況でした。

しかし、
いささか一人勝ちが過ぎたようです。

この間、
他社はどうしていたのでしょうか?
ペンタックスについてはあまりよく知りません。

富士フイルムはオリンパスがNBIを開発したのち、
同じような画像技術で診断する、
FICEという技術を開発しました。

私も使用経験があるのですが、
NBIと比較すると、似ているが少し違うもので、
あまり診断に有用ではありませんでした。

この技術はあまり普及せず、
オリンパスに後れを取ったように見えました。

富士フイルムはもともと経鼻内視鏡には定評があり、
経鼻内視鏡の画質に関しては
その当時も今もオリンパスの上を行っています。

また観察が困難で「暗黒大陸」と言われた
小腸の内視鏡を開発し実用化するなど、
少しニッチなところで攻めていたようです。

肝心の胃カメラや大腸カメラに関しては、
ややのっぺりとした画像は賛否両論あり、
操作性もオリンパスより悪い印象がありました。

その富士フイルムも2012年、
レーザー光による新しい照明技術と画像処理を合わせた
BLI(blue LASER Imaging)を開発しました。

これは素晴らし画像技術だったようです。
見えている世界はNBIと同じなのですが、
ひょっとすると将来性はNBI以上かもしれません。

内視鏡の操作性に関しても地道に改良を重ね、
最新モデルではかなり向上したそうです。
(使用していないので実際は不明ですが)

逆にオリンパスはNBI開発後は、
画質の向上はあったものの大きな革新は無く、
今まで広がっていた富士フイルムとの距離は、
少し縮まったかもしれません。

私はオリンパスのユーザーですが、
富士フイルムの頑張りを密かに応援しています。

どの世界もそうですが、
一人勝ちは良くないと思います。

オリンパスは6年前の不祥事があったにもかかわらず、
業績はすぐにV字回復を遂げ、
今では営業利益が過去最高にまで向上しているそうです。

その理由はおそらく、

現場の医師が患者さんのために、
ずっと使い慣れたオリンパスの内視鏡を、
手放すことなく使い続けたためだと思われます。

内視鏡がどのメーカーでも、
同じように使えるような医療機器なら、
見放されていたかもしれません。

支えたのは現場の医師の、
常に最善の医療を提供したいとする
熱意だったと思います。

富士フイルムが今後、
シェアを少しずつ伸ばすのは
間違えないように思います。

内視鏡以外にも、
インフルエンザの検査器や携帯型エコーなど、
医療系の開発に力を注いでいるからです。

今後の富士フイルムの追い上げで、
オリンパスが現場の意見にもう一度耳を傾ける、
そんなきっかけになるといいのですが。

日本の最先端を支える企業として、
両社のさらなる向上を期待しています。

 

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