京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
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新しい大腸内視鏡を購入しました

2017年7月7日

6月もあっという間に終わり、
1年の半分が過ぎてしまいました。

私は夏至が過ぎると、
なんとなく心細くなります。
皆さんはそんなことはないですか?

7月に入ると本格的な夏に突入です。
毎日蒸し暑くじめじめしています。
皆さんも熱中症や脱水にご注意ください。

 

 

 

さて当院では、
大腸内視鏡検査を行っております。

大腸内視鏡検査は、
比較的難易度の高い検査ですので、
使用する内視鏡にもこだわりがあります。

今回はその内視鏡について、
少し個人的な思いと、
最近購入したものをご紹介いたします。

 

大腸内視鏡検査には大きく分けて、
2つの技術が必要とされると思います。

一つは曲がりくねった腸を
無理なくすスムーズに
一番奥の盲腸まで挿入する技術。

二つ目は死角の多い大腸の中から、
ポリープや炎症などの病変を発見し、
その場で診断や治療を行う技術です。

そのために必要となるのは、
検査者の技術とそれをサポートする
精度の高い内視鏡機器です。

 

6年前に開業したときには、
ハイビジョンの高画質で拡大機能付きは、
最上位機種の1機種だけでした。

高画質で拡大機能があるため、
ポリープの観察、診断に関しては、
十分な精度で行うことができました。

しかし機構が複雑なため本体は少し太めで、
操作性は通常のものよりやや劣りました。
また少しの使用中の衝撃で、
故障してしまう繊細な内視鏡でした。

ハイビジョン拡大付きでもう少し細く、
操作性の良いカメラがあれば、
挿入時の痛みなどを減らすことができ、
患者様の負担軽減につながります。

 

2016年3月、オリンパスの大腸内視鏡で、
ハイビジョン拡大機能付きながら、
従来のものより細径の内視鏡が発売されました。

大腸カメラは術者の好みがあり、
比較的太くて腰があるカメラを好む医師もあれば、
細径の柔らかい内視鏡を好む医師もいます。

私はもともと太い内視鏡で、
短縮しながら挿入する方法でよく行いますが、
太さゆえに痛みが生じることがありました。

 

患者さんの性別や体型によって、
内視鏡を使い分けることができれば、
今より苦痛が少なくて精度の高い検査が
出来るかもしれません。

そしてこの6月その細径で
ハイビジョン拡大機能付き大腸内視鏡を
新たに導入いたしました。

最初は細くて頼りない感じで、
深く挿入すると力が伝わりにくく、
操作性が悪い印象がありました。

せっかく購入したのでしばらく我慢して、
この新しい内視鏡で検査を行ったところ、
だんだん私の手の感覚と内視鏡が、
合ってくるのが分かりました。

検査時間も短縮し、
何よりも良かったことに、
患者さんの苦痛が減った気がしたのです。

今ではこの内視鏡が
メインの内視鏡となり、
好んで使用しております。

 

それではここで、
このハイスペックな内視鏡の特徴を
少しご説明いたします。

 

「ハイビジョン画質と広い視野、
近接した状態でも高い観察性能を発揮」

 

広角

図のように視野角が広くなり、
隠れた病変の発見が可能となります。

更に110倍の光学ズームが搭載され、
微細な血管や粘膜の表層模様まで、
鮮明に再現できます。

これにより観察段階で、
ポリープの良性、悪性(癌)の診断ある程度でき、
適切な治療をその場で判断することができます。

 

「操作性向上と苦痛の低減に貢献する
3つの機能を搭載」

 

受動

①屈曲した形状の大腸で
スムーズな挿入を行えるよう、
自然に曲がる「受動弯曲」機能、

 

伝達

②大腸の奥深くに挿入した際にも、
検査者の手元の力やトルクを、
効率的に先端に伝える「高伝達挿入部」

 

硬度

③挿入部の硬度(腰の強さ)を
手元で変えられる「硬度可変」機能

これらの機能を搭載しています。

 

これらの機能を使う技術はとても繊細で、
実際行っていてもわからないことがありますが、
おそらくその恩恵は受けていると思います。

 

従って細い内視鏡でも、
比較的スムーズに深部大腸に
挿入できるのだと思います。

道具が良くなれば、
それを最大限に生かすことができる
検査者のレベルアップも必要となります。

またいくら検査者がレベルアップしても、
道具が最良のものでなければ、
検査自体を良くすることには限界があります。

 

ということで、
やはり道具は大事です。

 

「いかに苦痛が少なく、
精度の高い検査をするか」

そのためには使用する内視鏡にも、
こだわりを持たなければなりません。

このように内視鏡は、
画質も操作性も日進月歩です。

皆さんももし気になる症状があれば、
少しずつ進化する大腸内視鏡検査を、
お受けになってみてはいかがでしょうか。